ジエゴ・カルロスはリヴァプールに必要なのか?
ジエゴ・カルロスという選手をご存知だろうか
リヴァプールがこの選手を夏の移籍市場でトップターゲットに設定したとの情報が、7日にはスペイン紙『Marca』が、14日に同じくスペイン紙の『Mundo Deportivo』から報じられました。
そこで今日はジエゴ・カルロスの移籍関連についてまとめてみました。
・ジエゴ・カルロスとは?
ジエゴ・カルロスはブラジル出身で現在26歳の右利きのディフェンダー。サンパウロやポルト、リーグ・アンのナントを経て、2019年に現在ラ・リーガ3位のロペテギ監督率いるセビージャに移籍しました。身長は185cmとそこまで高くないものの、体の強さやスピードに優れている点から、空中戦やタックル等の肉弾戦において高い勝率を誇っています。そして、もう一つの武器がパスの配給。セビージャでは左に置かれ、前線まで一気に対角線のロングパスを送ることができます。個人的イメージは、同郷であることからもPSGのチアゴ・シウバに近いと思います。守備もできて攻撃にも強みをもった現代型のCBといえるでしょう。さらにプレーからもわかるように激しい闘争心と強靭なメンタルを持っています。
この選手に関しては、サッカーキングチャンネルの小澤さんが解説している動画を参考にさせていただきました。非常に面白い内容でしたのでぜひご覧になってみてください!
(ジエゴ・カルロス:4:20〜)
以上のよう彼はセビージャの守備を支える選手として確かな実力を持っています。
サッカーメディア『Goal』が発表した19-20シーズンのラ・リーガベストイレブンに選出されていることからも高い評価を得ていることがわかります。
・移籍の信憑性
今回の移籍の可能性を報じた『Marca』『Mundo Deportivo』の2紙ともそこまで信頼性は高くないことや、まだイギリスの主要メディアがこの情報を報道していない点からもまだ移籍の信憑性は低いです。しかし、実は2019年の冬にもスペイン紙の『El Desmarque』によって、ジエゴ・カルロスのリヴァプール移籍の可能性を報じられていました。また、次に述べる移籍に際してのリヴァプールのメリットからも、少なくともレッズのスカウト陣が彼に目を向けていることは間違いなさそうです。
・移籍のメリット
18-19シーズン、イスタンブールの奇跡から14年ぶりのCL優勝を成し遂げたリヴァプール。いまやそのディフェンスラインは世界一といっても過言ではないほど強固なものとなりました。
しかし、そんなリヴァプールのDFラインにも問題点はいまだにあると私は考えています。その例として挙げられるのが、
- ファン・ダイクの相棒がいまだ定着していない
- LSB(ロバートソン)の代役不在
まず、世界中のファンが理解しているように、昨今のリヴァプールの守備の安定をもたらしたのはフィルジル・ファン・ダイクに他なりません。彼の圧倒的な能力とリーダーシップは間違いなくリヴァプールの堅守実現に欠かせないものでした。
そして、ファン・ダイクの相棒を努めた、ジョエル・マティプ、デヤン・ロヴレン、ジョー・ゴメス。
この3名ともともにすばらしいプレーをここまで見せてくれました。
マティプの貢献なくしてCL優勝は果たせなかったでしょう。
ゴメスの今季のプレーの安定感は素晴らしかったです。
ロヴレンのヘディング弾が何度チームを救ったでしょうか。
(しかも彼は世界最高のCBでもあります笑)
この3人の明確な序列はあまりなく、誰かが怪我をしたら残りのメンバーが代わっていくという関係性だと思っています。
しかし、実際問題としてディフェンスの戦力としての予測がしにくいというのも確かです。18-19シーズンのプレミアリーグではゴメスが怪我で不在。今季はマティプが長期離脱となってしまい、ベンチに不安が残る状況でした。
さらに、現在のリヴァプールのディフェンスラインの問題点として最も論じられているのが、LSBのバックアッパーの不在。
左サイドバックのポジションは現在アンドリュー・ロバートソンが、その豊富な運動量と高精度クロスで絶対的な地位を誇っています。
しかし、このポジションのバックアッパーは中盤が本職のベテラン、ジェームズ・ミルナーのみという厳しい状況です。リヴァプールのサイドバックは中盤と並んでかなりの量のスタミナが必要とされます。ロバートソンのプレーが素晴らしすぎるだけに、その負担を少しでも減らすターンオーバーの必要性が訴えられています。
そこで登場するのが、ジエゴ・カルロス。
ファン・ダイクが守備の要として定着できたのはリーダーシップというのが大きかったと思います。そして強いていうならマティプ・ゴメス・ロヴレンはその面ではジエゴ・カルロスに劣ると私は思います。
あわよくばファン・ダイクとプレーすることで補完しあえることができる選手が欲しい。そしてジエゴ・カルロスはプレーやメンタルからそれに近いものを持っているように感じます。理想系はユベントスのボヌッチとキエッリーニやレアル・マドリードのヴァランとラモスのような関係性です。そして、クロップ監督はまだ今季のスカッドが十分だとは捉えていないという発言をしています。
より成長を望むのなら、新戦力の参入は不可欠です。CBというポジションにおいて、安定性を求めるのなら彼のような選手の参入はけっして悪い話ではないのではないでしょうか。
そして、これはあくまで予測ですが、もしも本当にリヴァプールがジエゴ・カルロスの獲得を狙っているのなら絶対に、ファンダイクの相棒という役割とともに、ロバートソンの代役という役目も加味して考えていると思うのです。
ジエゴ・カルロスの過去のプレー動画を見つけることができなかったので、彼がサイドバックのポジションもプレーできるかはわかりません。
しかし、ファン・ダイクの貢献ももちろんですがなによりリヴァプールの成長を促したのはユルゲン・クロップ監督その人です。この監督の指導のもとならロバートソンとは違ったプレーを見せてくれる選手としてLSBとしても才能を開花させることが可能なのではないでしょうか。
・獲得にあたってのデメリット
ここまでは移籍に関するポジティブな側面を取り上げてきましたが、ここからは逆にネガティブな面を取り上げていきます。
移籍に際してネックと思われるのは、現在のメンバーとの兼ね合いと契約解除金。
まず、ジエゴ・カルロスの移籍が実現すれば、ファン・ダイク以外の3選手の出場機会の減少は避けられないでしょう。競争率の激化はチームにとって良いこととも言えますが、ベンチメンバーの不満という全てのチームにとって起こりうる問題でもあります。3人とも素晴らしい選手なだけに、それを受け入れるのはプライドやモチベーションの問題にも繋がりかねません。
そして、もう一つが契約解除金。現在の移籍金は32,00m €(約38億円)となっています。しかし、2019年にセビージャとの5年契約を結んだため、移籍には契約解除金である75,00m€(約90億円)が要求されます。
この金額をどう捉えるかは意見が分かれるでしょう。ダイクの例から言えば、今後の活躍次第では安いとも捉えられます。一方、前線の補強の必要性やセントラルミットフィルダーの高齢化など、ほかにも考えられる問題が残っており、それらとの兼ね合いを考えると高いとも考えられます。
・まとめ
あくまで主観論ではありますが、ジエゴ・カルロスの移籍に関してはメリットの方が多く感じます。今夏の移籍市場はコロナウイルスの影響で、不確定な要素が多いですが、仮に移籍が実現したら応援したい選手です!
長くなりましたがご訪問ありがどうございました。
みなさん、くれぐれも体調にお気をつけて!それでは!