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医師の方々への感謝とリヴァプールの試合を楽しめる日が来ることを願って

De, De, Der, De, De ジニ・ワイナルドゥム!

 

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このチャントが一番好きです!

今回は選手紹介の2人目です!

ジョルジニオ・ワイナルドゥム

 

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レッズの頼れる5番。ユルゲン・クロップのハードワーク戦術になくてはならない選手です。

 

今回はそんなジニのプレースタイルや魅力をピックアップしていこうと思います!

 

 

 

・ジョルジニオ・ワイナルドゥムとは?

オランダとスリナムの国籍を持つワイナルドゥムは現在29歳のリヴァプールのMF。2007年にオランダのフェイエノールトでデビュー後、PSVニューカッスルでキャリアを築きます。2016年に5年契約でリヴァプールへと加入し、とにかくハードワークが要求される中盤において攻守の要として定着して、特にヘンダーソンとのインサイドハーフのコンビで素晴らしいプレーを見せてくれます。単純にセントラルMFとしての技術が高く、当たり負けしないフィジカルやパス精度、ウイングとしての経験からくる積極的な攻撃参加に決定力、ボール奪取の技術、そしてハードワークをいとわないメンタリティー等、中盤に必要なスキルを全て高水準で保っています。正念場のような試合での勝負強さを持っており、彼のプレーにチームは何度も救われてきました。

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・プレースタイル解説

ワイナルドゥムのリヴァプールでの役割は、しばしば「バランサー」とも称され、左のインサイドハーフとして中盤でパスを繋ぐことが主です。戦術理解度が高いことから複数ポジションをこなせる強みもあり、オランダ時代の右ウイング、トップ下経験に加え、19-20のCLバルセロナ戦1stレグではフィルミーノの代役としてセンターフォワードとしてもプレーしました。

 

しかし何よりもインサイドハーフでのワイナルドゥムは、攻めて良し、守って良しの選手であり、さながらオランダの闘犬エドガー・ダービッツスリナムの天才、クラレンス・セードルフを足して2で割ったような選手。贔屓目に見ても、数多くの監督が欲しがるオールラウンドなプレイヤーであると思います。

 

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ワイナルドゥムは相手からプレッシャーを受ける際のボールキープ力が非常に高い、一言で言えば”奪われない”ミッドフィルダーです。強靭なフィジカルに加え体感にも優れているのか、倒されることがほとんどなく、中盤でチームの潤滑油として機能する選手と言えます。その戦術からリヴァプールの中盤は欧州でも屈指の困難な仕事であるとしばしば形容されます。90分間ピッチを駆け回ってボールを回収し、当たり負けせず安定して配給できる選手がいかにチームにとって助けになっていることでしょう。

 

かつてフィーゴジダンベッカムロナウド錚々たる面子を擁した銀河系軍団レアル・マドリードにおいて、かの名ボランチクロード・マケレレの存在を忘れたものはいないでしょう。マネ、サラー、フィルミーノという絶対的な矛を生かす上でワイナルドゥムの貢献はファンの誰もが理解しています。

 

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それに加えスピードがあるからこそ両足の筋力が跳躍力やアジリティーという形にも現れています。175cmと小柄な部類に入るにもかかわらず、ヘディングに秀でており彼の空中戦の強さはチームの強力な武器となっています。18-19のCLバルセロナ戦然り、19-20のCLアトレティコ戦然り、身長がなくてもタイミングに合わせ、持ち合わせたジャンプ力でセットプレーやサイドからのクロスに頭で合わせることで困難な状況を独力で解決してみせます。スペイン紙『as』ではワイナルドゥムがヘディングのインスピレーションとなった出来事を語っています。

 

『(なぜヘディングでの得点が多いのかと聞かれ)なんでかというと、子供の頃に従兄弟と散々ヘディングの練習をしたからかな。彼はパトリック・クライファートの大ファンだったんだよ。

クライファートは本当にヘディングが上手かったから、僕がボールを持って外にいく度に従兄弟はどうすれば良いタイミングでヘディングが決められるかを教えてくれたんだ。彼は良いタイミングで飛ぶことさえできればヘディングのほとんどの仕事は終わりだって教えてくれたよ。だから僕は何度もそれを実践した。おかげで今は得意のプレーだね。』

 

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 今では守備的な選手としてプレーできる事実を証明しましたが、やはり特筆すべきはテクニック。巧みなドリブルや軽快なワンツーで狭いエリアをすり抜けるスキルはさすが元トップ下の選手。フィルミーノが降りてきたときの前線への飛び出しから相手ゴールを脅かすシーンが数多く見られます。しばしばドリブル突破や決定的なパスがないと評価する方もいますが、むしろテクニックにおいてはレッズの中盤でもトップなのではと思います。

 

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2019年のオランダ代表では10番として4試合に出場7ゴールを挙げ、決して得点力も低くないことを見せつけました。強烈なミドルシュートなどはあまり見られませんが、決めるべきところはきっちりゴールを奪っています。

場面によって攻撃的にも守備的にもなり、テクニシャンでありハードワーカーにもなる、まさに”カメレオンMF”です。しばしばプレミアで過小評価されている選手の1人として紹介されることがありますが、もはや多くの有識者はそうは思っていないでしょう。ワイナルドゥム ほど安定して強みを発揮できる選手もそう多くないのではないでしょうか。

 

・2部降格からアンフィールド

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このまさにダービッツを彷彿とさせるドレッドヘア。フェイエノールトPSVのオランダ時代は右サイド、トップ下でプレーし、この頃から前線の選手のわりに守備への意識が高い様子が窺えます。12-13シーズンは33試合で14ゴールを記録し、その名を欧州に轟かせました。2015年にプレミア、ニューカッスル・ユナイテッドに移籍。そのシーズンにリーグ戦11ゴールを挙げる活躍を見せましたが、クラブは2部降格が決定。そこに目をつけたのがリヴァプール監督として2年目を迎えたユルゲン・クロップ

 

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2016年に5年契約でリヴァプールに加入。一時期はチェンバレンミルナーに中盤のポジションを奪われベンチスタートが続いていましたが、徐々にバランサーとしてプレーの幅を広げ、その結果テクニックに加え、フィジカルやディフェンスのセンスを開花させ、今はインサイドハーフのファーストチョイスとしてチームを支えています。

 

最新のUEFAのインタビューでバランサーとしての役割が、リヴァプールでどのように確立されたかを口にしています。

『僕のオールラウンダーとしての役割はこのチームで磨かれたよ。

前までは非常に攻撃的な役割を担っていて、攻撃に集中することに慣れていた。2014年に(当時のオランダ代表として)ルイス・ファン・ハールの元でW杯を経験して以来、ミッドフィルダーとして試合をコントロールする役割が増え、それが上手くいったんだ。その後、PSVニューカッスルでプレーしたけどそのような役割を担うことはなかったよ。

 クロップと話した時、僕がもっとディフェンシブな役割をこなしてオールラウンダーになる必要があることを教えてくれたんだ。攻撃するのに慣れていたから、そのようなプレーをこなすのは簡単なことじゃなかった。それでも、それは僕の成長の助けとなったよ。今の自分はアンフィールドに来た時よりもより完成された選手だね。』

 

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・『こいつがいないと困る』 -ダービッツとワイナルドゥム-

ユベントス時代のダービッツ、レアル時代のマケレレ

共通しているのは「こいつがいないと困る」選手であること。

現代で言えばアルトゥーロ・ビダルやカゼミーロ、マルキーニョスなども同様でしょう。

キャプテンやエースの影で、汗かき役に徹し、ハードワークを厭わない万能な選手こそがチームに水を運ぶ存在となります。リヴァプール においてはまさにジニ・ワイナルドゥムこそがそうでしょう。

 

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リヴァプールにおいて多岐にわたるジニの貢献はもはや誰もが知るところでしょう。

ショートカウンターに繋げる「ボール狩り」としての役割

・最終ラインまで下がることでロバートソンを前線へ押し上げる役割

・中盤まで降りてきたフィルミーノに代わり前線へ飛び出し攻撃に絡んでいく役割

これらを遂行できるのはひとえにジニがテクニック、フィジカル、状況判断など水準以上の技術を兼備した万能型プレーヤーへと変貌したからです。ニューカッスル時代はしばしばテクニックの面では多くのファンや選手にも知れ渡っていましたが、それだけと表されることも多かったと言われています。それがクロップの指導の元、マルチなプレーへと適応することができたからこそリンクマンとしてなくてはならない選手となりました。

 

 

そして、くどくて申し訳ないのですがやはり今のワイナルドゥムの役割はユベントス時代のダービッツがこなしていたそれと非常に似ているのです。

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当時のユベントス、今のリヴァプールともに徹底したハードワークによる戦術を敷いています。元から万能型であったダービッツに対し、ワイナルドゥムはドリブラーからオールラウンダーへと成長しました。そして、上記の記事ではダービッツユベントスで単に1人分の仕事をこなしていたのではなく、2人分の仕事量で前線の選手(マイスター)を支えていたことが書かれています。ユベントスの場合はマイスターはアレッサンドロ・デル・ピエロジネディーヌ・ジダン。そしてリヴァプールの場合はモー・サラーがいわゆる”治外法権”として例外的に技巧やインスピレーションで『違い』を作れる選手です。

彼らが輝くにはその分の仕事をこなせる選手が必要であり、それこそがジニ・ワイナルドゥムのリヴァプールの真価なのです。

 

そして、ここぞというタイミングでヘディングをかましてくれるワイナルドゥムを見ると、やっぱりこいつがいないとな、という気持ちにさせられるのです。

状況を打破してくれるのがサラーやマネではなくワイナルドゥムというのがロマンです。

これぞハードワークのリヴァプールです。

 

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・まとめ

オールラウンダーとしてリヴァプールを支えるワイナルドゥム。万能だからこその貢献はもはやファンにとってなくてはならないものです。

1日でも長くリヴァプールでのジニのプレーと笑顔を見ていたいものです。

それでは!

 

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